説明書通りにできない。「バシャバシャ洗顔」だった毎朝
早寝早起きなんて遠い世界の話だった、昔の私。
当然、「朝は1分でも長く寝ていたい!」が基本姿勢でした。
ギリギリまで布団にしがみついているので、起きてからは毎日が時間との戦い。
「洗顔なんて、顔の皮脂が落ちればそれでいい」
「早く終わらせて次に行かなきゃ!」
と、完全に「こなすべき作業」として扱っていたのです。
実は、私が長年愛用している洗顔石鹸は、「石鹸洗顔だけで素肌を健やかに整える」というこだわりの通販商品。
丁寧なリーフレットや動画で「濃密なもこもこ泡の作り方」が分かりやすく解説されていました。
「なるほど、こうやって泡立てるのか……」
最初は見よう見まねでやってみるものの、なんだか動画のように上手く濃密にならない。
そのうち「朝の忙しい時に、こんな悠長に時間をかけてられない!」と面倒くさくなり、結局は手のひらで適当に泡立てたシャバシャバ・バシャバシャの頼りない泡で、ゴシゴシ顔をこする日々へと逆戻り。
正論ややり方は頭で分かっていても、できないものはできない。
そうやって、毎朝自分をちょっと雑に扱いながら1日をスタートさせていたのです。
奮発したゴージャス石鹸が教えてくれた「本物のクッション」
そんなある日、ちょっとした気分転換(というか自分へのご褒美)で、普段は手を出さないような「お高いゴージャス石鹸」を買ってみました。
「たまには贅沢してみようかな」くらいの軽い気持ちで、いつものように適当に手のひらでくるくると泡立ててみたのです。
香りがとても高級感あって、「高いだけあるわ〜」と感心していたら、あれまぁびっくり。
特別なことはしていないのに、あっという間に濃密で「もっちもちの、もこもこ泡」が立ち上がったではありませんか。
その泡を乗せた手で顔を包んだ瞬間、これまたびっくり。
手のひらと顔の皮膚の間に、分厚くて弾力のあるしっかりとしたクッションができている。
指先が直接肌に触れることなく、泡の弾力だけで顔全体がふんわりと包み込まれていく感覚。
「えっ……これが、あの『もこもこ泡』の正体なの!?」
肌をこすらない気持ちよさはもちろんのこと、何よりも胸を満たしたことがあります。
それは、「あ、私、今すごく自分を大事に扱っている……」という、じんわりとした幸福感でした。
「ゴールの感触」を知ったから、いつもの石鹸で再現できた
このゴージャス石鹸の体験は、まさに目から鱗でした。
……ですが、現実的な問題がひとつ。
毎日のことですから、背伸びし続けるわけにはいきません。
いつものお気に入りの石鹸が、やはり私の定番です。
けれど、以前の私とは決定的に違う点がありました。
それは「目指すべき本物の泡の感触(ゴール)」を、すでに私の手が、肌が知っているということです。
「あのゴージャス石鹸の感触を、いつもの石鹸で再現できないだろうか?」
動画や説明書の解説を思い出しながら、再挑戦が始まりました。
水を一度にたくさんつけず、ほんの少しずつ手のひらに垂らしてぶくぶくと空気を含ませる。
手のひらをすり合わせて、じっくり、大事に、くるくると泡を育てていく……。
すると、あんなに昔はうまく作れなかったはずのいつもの石鹸から、あのゴージャス石鹸に負けないくらいの、弾力のある「もこもこ泡」がちゃんと立ち上がってくれたのです!
「あぁ、この感触だ……!」
知識として頭で理解するのではなく、一度「身体でゴールを味わった」からこそ、いつもの道具でも迷わずそこへ辿り着けるようになった瞬間でした。
泡を「育てる時間」と、忙しい朝を救う「割り切りルール」
確かに、手のひらで丁寧に泡を育てるには、以前のバシャバシャ洗顔に比べて1分ほど余計に時間がかかります。
でも、この1分間が、今の私にとってかけがえのない時間になっています。
石鹸のやさしい香りに包まれながら、手のひらの中で泡がだんだんと濃密になっていくのを静かに見つめる。
朝から「あれもやらなきゃ」「今日も忙しいな」とフル回転しそうになる頭のノイズが、泡をくるくるする心地よいリズムで、スーッと静まっていくのです。
……と、ここまで書いておいてなんですが。
今でもやっぱり朝ギリギリまで寝てしまう日はあります(笑)。
そんなときは無理をして泡を育てようとせず、最初から「泡で出てくる洗顔フォーム」を使うと決めています。
- 起床から家を出るまで時間がある日: 手のひらでじっくり石鹸の泡を育てて、贅沢な朝時間を味わう
- ギリギリまで寝てしまった日: 泡で出てくるフォームを使って、ささっと洗ってサクッと出発!
「時間がこれくらいなら、こっちを使う」とあらかじめルールを決めておく。
そうすると朝から「丁寧に洗えなかった……」と自分を責めたり、迷ったりすることもありません。
エステやゴージャスな化粧品も素敵。
でも、素敵は毎日の暮らしの中にもささやかにあって。
余裕がある朝は手のひらで丁寧に泡を育てて自分を丁寧に扱い、時間がない朝は仕組みでサクッと自分を助けてあげる。
そんなふうに自分を大切にしてあげるのも、なかなか心豊かだなと思うのです。
もし毎朝の慌ただしさの中で、自分をちょっと雑に扱ってしまっているなと感じたら。
余裕のある朝に、手のひらの上で少しだけ時間をかけて自分への「もこもこ泡」を育ててみませんか。


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