「一晩寝かせる」なんて無理!デパートでの脳内プレゼンに完敗してバッグを買った私への処方箋

生活の工夫

きらびやかな売り場の鏡の前で、脳内プレゼン大会が開幕!

先日、デパートのきらびやかな売り場の鏡の前で、そのバッグ合わせた瞬間のことです。
私の脳内で壮大なプレゼン大会が始まりました!

「これ素敵! これを持ってたら、落ち着きのある大人になれるかも!」
「周りから『あの人、経済的に余裕があるのね』と思われるかも!」
「もうアラフィフなんだから、これくらいのバッグを持っていたっていいよね!」

爆速で脳内を駆け巡る、キラキラした妄想たち。
バッグひとつで、いつものうっかり屋で慌ただしい自分から、優雅で洗練された大人へと人格ごと変身できるような全能感に包まれます。

世間はよく「一晩寝かせて考えましょう」「数日迷ってから買いましょう」なんて冷静なアドバイスをしてきます。
でも、そんな有難いアドバイスも、あの瞬間の私には1ミリも通用しません。

「だって、一晩置いたら売り切れちゃうかもしれないし!」
「だって、こんなに欲しいんだよ! 買わないっていう選択肢はない!」
「どうせ買うんだから、後日またわざわざデパートに来るなんて面倒くさすぎる!」

脳内プレゼンターたちの怒涛の熱弁により、満場一致で即決お買い上げ。
クレジットカードを差し出す私の手には、勝利の確信すらありました。

帰宅後の静寂。「……あれ? 今買わなくてもよかったよね?」

……けれど、本当のドラマはここからでした。
それは、心地よい興奮に包まれて帰宅後、家の蛍光灯の下で袋から出した瞬間から始まります。

スーッと訪れる、静かな我に返り。

「……あれ? これ、今買わなくてもよかったよね?」

さっきまでデパートのスポットライトを浴びて神々しく輝いていたバッグが、我が家のリビングにぽつんと置かれた瞬間、急激に現実味を帯びてきます。

そこから始まるのです。
「せっかく買ったんだから、ガンガン日常使いして元を取ろう!」という開き直りと、「衝動買いした分、節約しなきゃ!」という殊勝な反省を行ったり来たりする無限ループが……。

スーパーでの二次災害。「絶望するまでがワンセット」

反省モードに傾いた私は、さっそく近所のスーパーへ向かいます。
「バッグ代の穴埋めをするぞ!」と意気込み、普段なら絶対にパスする「安いけれどひと手間処理のかかる食材」をカゴへ投入。

帰宅後、泥を落としたり皮をむいたり鱗を取ったりの下処理に追われ、台所で疲れ果ててフリーズ。
さらに、「30円お得だから」と勢いで買った見切り品の野菜を、使い切れずに冷蔵庫の奥でドロドロに腐らせてサヨナラする始末。

「食費の節約なんて頑張ったってたかが知れてる……! あのバッグ分なんて回収できない……!」

シンクの前で力尽き、絶望するまでが私のお決まりのワンセットなのです。
そして、これを何度も繰り返してしまう。
なんて学習能力がないんでしょう……。

どうせまた自分を責めてしまうから。「3つのブレーキ」を心に置く

台所で絶望したあと、ドロドロになった野菜を片付けながら思いました。
「私、バッグを買ったこと以上に、無理な節約で自分を罰しようとして自滅していることのほうがよっぽど重罪なんじゃないか」と。

もちろん、「もう二度と自分を責めません!」なんて綺麗さっぱり割り切れるわけがありません。
どうせ明日も明後日も、ふとした瞬間に「あんな高いもの買っちゃって……」「学習能力がないなぁ」と、ネチネチ自分を責め立ててしまうに決まっています。

自分を責め立てるのをやめられないなら、せめて責め始めたときに立ち止まるための「3つのブレーキ」を心に置いておくことにしました。

①「食費で帳尻を合わせる」のを諦める

普段やり慣れない下処理や見切り品に手を出しても、疲れて食材を無駄にして絶望するだけ。
「やらかした買い物の穴埋めを、別の無理で埋めようとしない」と潔く諦めることにしました。

② バッグに「大人の落ち着き」を背負わせない

「これを持てば、落ち着きのある余裕のある大人になれるはず!」と、バッグひとつに人格改造まで求めようとしたから、あとから現実の自分とのギャップに苦しくなってしまう。
バッグを持ったところで、中身が急に洗練された大人に変わるわけではありません。
相変わらずうっかり屋で、先延ばしもする、ADHD傾向の私のままでいいじゃないか、と言い聞かせます。

③「それも私」と認めてあげるために使い倒す

クローゼットの奥にしまい込んで、「見るたびにため息が出るお飾り」にしてしまうことこそが、一番もったいないこと。
それでは、「失敗したダメな自分」で止まったままになってしまう。

だからこそ、あえて引っ張り出して、スーパーの買い出しにも仕事にもガンガン日常使いする。
使うたびに「あぁ、買っちゃったな……」とチクチク痛むけれど、使い続けるうちに「衝動買いして後悔もしたけれど、まあ、そういうところも含めて私だしね」と、自分と静かに仲直りできる気がするのです。

後悔の記念碑にするのではなく、「それも私」と認めてあげるための「よすが」として、ガンガン使い倒してしまう。
そうして長い目で見て「無駄遣い」でなくしてしまおう、という試みです。

責め立てるのをやめられない私と、このバッグと

「一晩寝かせる」なんて冷静な技、私にはきっとこれからもできません。
また、デパートのきらびやかな照明に吸い寄せられて、脳内プレゼン大会を開催してしまう日も来るでしょう。

そして買ったあとには、やっぱり「今じゃなくてよかったのに」と後悔し、自分を責め立ててしまうのだと思います。

けれど、自分を責め始めたときは、この3つのブレーキを思い出そう。
そのためにも、衝動買いしてしまったこのバッグを、スーパーの買い出しにも、日々の仕事にも、ガンガン連れ出して日常使いしていこうと思います。

鏡に映る自分は、相変わらず「落ち着きのある大人」には程遠いけれど。
お気に入りのバッグを腕にかけて、今日もため息をつきながら、スーパーへ夕飯の買い出しに行く。

失敗したって、後悔したって、お腹は空くし、暮らしは回る。
そうやって、日々は続いていく、これからもね。

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